「三鬼 三島屋変調百物語四之続」 宮部みゆき

正月本を「三鬼」にしたので、復習ということで年末から三島屋シリーズを再読していまして、今年の年末年始は宮部みゆき一色という感じでした。

三島屋で一人の語り手を招いて主人公おちかが変わり百物語を聞くというこのシリーズ、宮部さんの時代物の中でもかなりかなり好き。三鬼は吉村昭さんの熊嵐を彷彿とさせるような農村の貧しい暮らしあり、狭い村での異常な事態あり、階級社会の閉塞感なんかも描かれていて、さすがの表題作で読み応えばっちり。三鬼もよかったのですが、巻末のおくらさまも気味悪い感じがよかったです。おいしい描写が満載の食客ひだる神も読んでて楽しくみっちり詰まった一冊でした。個人的には短い話が多かった「泣き童子」よりも一話がぎっちり書かれている今回くらいの分量が好み。あー今年の正月本をこの一冊で始められるなんて、何て幸先のよい2017年!でも次回はいつになるんだろう…出会いあり、別れありでシリーズ5も必ず読めますように!

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