「ペスト」カミュ

先日初めてオンライン読書会に参加してきました。参加人数は主催者を入れて6名。課題書はコロナ禍で今注目を浴びている「ペスト」です

 

まず課題書ペストの説明から…

舞台は1940年代。アルジェリアのオランという港街で鼠が大量に死に始めます。しかしそれは恐ろしいペストが街に広がる兆候でした。突如街は封鎖され、医師のリウーは献身的に働きますが…

というお話。

 

いや、この話本当に今注目されている意味わかります。めっちゃ現在のコロナの状況と同じなんですよ!行政の対応の遅さ、一方的に閉鎖されてしまうことによる混乱、医療関係者の疲労…読んでいていちいち「おーここ一緒じゃん!!」と思ってしまいました。

テーマのペストがコロナと同じ疫病ということで状況が重なる部分が多いのですが、実はペストはナチスドイツの隠喩だそう。

カミュが描きたかったのは「不条理」が襲ってきたら人間はどうなるのか?どうすべきなのか?

ということのようで、そう考えると疫病だけではなく、天災や戦争などの個人がコントロールできない状況にも当てはめることができるこの本。きっとこれからもずっと人々に読み続けられていく作品なんだろうなと思いました。

個人的に惹かれた部分は小さな子供が酷く苦しみながら死んでいく場面の後、バヌルーという神父に医師リウーが気持ちをぶつける場面です

…(略)われわれは一緒に働いているんです、冒涜や祈祷を超えてわれわれを結びつける何ものかのために。それだけが重要な点です。

コロナで色々な断絶が伝えられます。国と国がいがみあったり、政治的なスタンスが違う人を罵ったり…でもこのような大きな災厄の前にはそういった個々の立場や信仰を超えなければ結びつくことができない、そしてそういった大きな困難の時には人との結びつき、それだけが重要な点である…とカミュが伝えたかったのではなかろうかと思いました。

重い本ですが、今ステイホームの時期に読めてよかったかな。忙しい日々では読み切れなかったかもしれません。

今回初めてオンライン読書会に参加しました。遠くの人と話できるのはいいですね!時代―って感じがします。

でもちょっと発言へのハードルが高くなるかな?知らない人同士になると、場が温まるのに少し時間がかかるかも?ホストの方はオンラインの時の方が責任が重そうです。

また違うオンライン読書会にも参加してみたいなー。