「山小屋ガールの癒されない日々」吉玉サキ

富士山に登った時に大変お世話になった山小屋。登山者たちのオアシスであり、救護所でもあり、案内所でもあり…山小屋ががなければ絶対に登頂できなかったに違いない。

利用して思ったのは、山小屋って修学旅行時の旅館と似てるなーということ。利用者のテンションがかなり高いし、密集度も修学旅行っぽいし、楽しいし…こんなところで働くってどんなだろ、と思っていたので、この本を見つけたとき「おお、私の求めていた本!」と思いました。

著者のサキさんは山小屋で10年働いていたベテラン。山小屋で働くってこんなですよーというお話や、常連客や仲間たちの面白エピソーが語られていたり、山の危険や怖い話その他もろもろ…山好きなら興味深い話がいっぱい。けれども私が惹かれたのはサチさんが個人的に仕事に対して思い悩む部分。昨今の状況もあり、自分の仕事について考えることがよくあるのですが、そんな自分と重なる部分もあり、包み隠さず悩んでいる部分に「そうだよねー!わかるーーー!!」と大変共感しました。

山小屋のエピソードだけ求めていた方には「え、この部分いらなくね?」と思われるかもしれませんが、私はこの本の魅力はサキさんが仕事や自分の性格に対して思い悩む部分など、誰にでも通じる普遍性だと思いました。「山小屋で働く」という特殊な部分で手に取った本でしたが、かなり励まされたなー。するすると読める本ですし、コロナ騒動でテンションが落ちてる方も元気になれるお勧めできる本です。