青春小説のような歴史小説のようなミステリー!? 「流」東山彰良  

1975年の台湾。蒋介石の死の直後、誰にも負けないと思われていた祖父が殺されます。基本はその謎解きミステリー。

始めは名前や地名がどーしても頭に入らず、よ、読みにくい…!と思いながら読んでいたのですが、物語が加速するにつれ、一気に読み終わってしまいました。青春小説でもあり、歴史小説でもあり、ミステリーでもあり…色々な要素のお話が混じり合い、濃いキャラクターも何人も出てくるのですが、不思議とバラバラにならず最後の「祖父殺し」の謎解きまで怒涛の展開でした。しかしすごいパワーの人々…!弱弱しい人なんてて全然でてきません。ゴキブリを殺すおばあちゃんの描写、笑いました。

祖父殺しの真相は大変重いテーマでもあるのに、どこやらからりと乾いてる感じがするのは、やはり中国マジックなんでしょうか。陰の主人公は祖父だよねって思いながら読んでましたが、祖父ではなく台湾、そしてあの時代が主人公。時代も人も人の思いも、全ては流れて流れて流れていく…という意味のタイトルなんでしょうか。

読んだら台湾行きたくなりましたし、やっぱりもっと歴史を勉強しないと…とも思いました。


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