吉村昭さんの名作「熊嵐」を読んでからファンになり、ちょこちょこ読んでいるのですが、今回の「高熱隧道」も一気に引き込まれました!
実は読む前はプロジェクトXで有名な黒部ダムの話でしょーと思って読んでいたのですが、黒部ダムでも違う黒部ダム。
昭和のお父さんたちががんばる話!と思うとびっくりするかもしれません。
有名な黒部ダムは第四発電所で、こちらは第三発電所のお話。
こちらの黒部ダム第三発電所は戦前、太平洋戦争が始まる直前のお話です。
岩盤温度が160度を超える地帯での超難工事のトンネル掘削作業。
経験豊富な人夫達が赤紙招集されていく中、国策と位置付けられた中での工事です。
しかしそんな戦争の暗い影よりも圧倒的な工事の描写。
超劣悪な労働条件の中、事故で、自然災害で、人が次々と亡くなります。
人夫と技師の関係
人間と自然の猛威
末端の人間と過酷な労働条件
などなど色々な視点で読める本です。おすすめです!
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