私が号泣した「紙の動物園」の著者ケン・リュウ。彼が選んだ良作な中国SFを集めたアンソロジーです。アンソロジーって合う・合わないがあって微妙な時もあるけど、この本はテイストがそれぞれ違うのに全作面白かった!!読んでた時にちょうど香港のデモが過熱している時で、もうこれってSFじゃなくって数年先の現実では…って感じの作品もあり、なかなか興味深かったです。色々なタイプのSFが集められているので自分の好みを再認識できていいかも。
伊藤計劃の虐殺器官がすきな方は「鼠年」がいいかな?私はファンタジー系の「百鬼夜行街」が好き。オーウェルの1984のオマージュ「沈黙都市」はディストピア系が好きな方におすすめかなー。表題作の「折りたたみ北京」は映画「エリジウム」ぽくてこれまた好みなジャンルでした。
中国のSF!と特に意識して読まなくても、普通に面白いので大丈夫。巻末のエッセイもおすすめ。ようやく文庫になってくれて価格も下がったので年末年始にSFでも読んでみるか―って方にかなりいいと思います。