「狐笛のかなた」 上橋菜穂子

上橋さんといえば守り人シリーズや奏者シリーズなどが有名で、この本は存じ上げなかったのですが、Facebookでお友達になった方がすすめていたので読んだら…面白かった…!

日本を彷彿とさせるような場所が舞台のお話。人の心がわかってしまう小夜が子狐を助けたことがきっかけで、屋敷に閉じ込められていた小春丸と知り合いになります。ある出来事がきっかけで小夜は小春丸に会えなくなってしまいますが、隣国との争いごとにまきこまれるうち、再び3人が出会う…というお話です。

子ぎつね野火と小夜の話もよかったのですが、どうして恨みの連鎖を止められないのか。ということろが児童書ながら結構つっこんでかかれているのでよかったと思いました。上橋さんは国と国との対立という構図を描くのが本当に上手だなーと思います。誰か絶対的に悪いという存在がいるのではなく、からみあった恨みの連鎖をたどっていくと…という視点がファンタジーながらもその世界の深みを出していると思います。

長いシリーズが多い上橋さんですが、この本は1冊で完結してますし、内容も濃いのでおすすめです!

 


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