「盤上の向日葵」柚月 裕子

埼玉県の山中で発見された白骨死体には、名駒の将棋の駒が一緒に埋められていた…殺しておいて貴重な駒を一緒に埋める理由は??という基本ミステリーのこの本。読む前は将棋の事はまったく知らないしなーと思って読んでいたのですが、さすがさすがの本屋大賞2位!一気に話に引き込まれました。

ただですね、今回ネタバレしながら感想を書きたいので読んでない方は読まないでくださいね。ネタバレしないで読んだ方が絶対おもしろいです!

 

 

 

ラストを読んで作者に裏切られた!と思ってしまいました。いや、このラストじゃないと…っていう声もあるかと思います。でもでもでも。

 

苦しい苦しい思いをして将棋だけが彼の神様で、それで自分の実力で人生を切り開いてきたのに…それなのに「だってそういう血なんです」っていう感じで終わらせちゃうの!?彼の将棋への情熱と、将棋のスタイルと、それがあってあんなラストになるなんて。この狂気の発生が何か唐突すぎて、どうもよくわからず。向日葵が咲かないとって…そんな人物像でしたっけ?「炎の将士」なんでしょ?安全な将棋は打たないスタイルなんでしょ?それとも途中から歪んできたの?それがあまり深く描かれていない感じなので、個人的には「子供の頃から応援していたあの子が都合のいい感じで収められちゃった」感。でも一気読みは一気読みでした。


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